どうやら、わたしは、気を失ってしまっていたみたいです。こんな危険な状況なのに、自分の欲求に勝てず、しかも、失神してしまうほど感じてしまうとは、本当にわたしは変態さんになってしまったみたいです。
周りを見ると・・・と言っても、眼球まで特殊な液体で塗装し、固められてしまっているわたしには、今、見えるのは、布・・・ 茶色の布です。たしか、たくさんの家電のゴミの山に捨てられたはずなのですが、今は、青空ではなく、見えるのは布・・・なのです・・・・。
そして、わたしの下や横には、何かゴツゴツした物が沢山ある感じで、その一番上に斜めに乗っているのが、わたしらしいです。
先程から、結構揺れるので、どうやら、車に乗せられているのではないでしょうか?
「ちょっと、ホッとしました・・・」
あのまま、あのゴミの山に捨てられていれば、確実に埋められてしまいます、埋められてしまえば、本当に、本当に人生終了になってしまいますが、どうやら生き埋めは、まのがれたらしいです。
わたしの周りや下にあるゴツゴツした物は、どうやらマネキンのようです。
おそらく本物のマネキンだと思いますが、まさか、わたしと同じように固められた、元人間なのではないかとも思いましたが、わたしの背中から感じる限り、かなりのマネキンがわたしの下にあるので、さすがにこの数はありえないと思いました。
少し斜めになっているわたしの視界には、透明なラップでぐるぐる巻きにされて、ミイラのようになっているマネキンも見えます。
こんな大量のマネキンを、どこに運び、どこにわたしが連れて行かれているのでしょう・・・
もしかすると、碇監督さんと、小林さんが、戻ってきて、わたしを回収?助けて?くれたのではないかと思ったのですが・・・・
先程わたしが、処分場に連れて行かれる際の車は、こんな布の天井なんか無く、青空が見えていたので、どうやら、違う車みたいです。
「どうしたらよいでしょうか?」って、どうも出来ない・・・
「固められ、身動きもできない・・・」
「音も聞こえない・・・」ちょっとした音が聞こえれば、どこに向かっているか、知ることも出来るかもしれないが、まったく音が聞こえない・・・」
碇監督さんと、小林さんの悪ふざけで、捨てられた風というのを、期待したい所なのですが・・・・。
先程と、車が違うとなると、本当にわたしを物として廃棄し、その廃棄されていた、わたしを、リアルなマネキン人形等と勘違いした誰かに、拾われて、連れ去られているというのが、現在の現状なのかもしれない・・・・
気を失ってしまっていたので、どのくらいの時間が経ってしまったのか全くわからなくなってしまったが、気づいてからすでに30分以上も車は走り続けているように感じるし、信号で止まるような感じもないので、高速道路を走行しているのではないかと・・・。
高速道路で、移動されたら、元の廃棄された所からかなり遠い所に、今わたしが、いるのではないでしょうか。
本当に、もう・・・わたし・・・助からないだろうな・・・
でも・・・・。
でも・・・・・・・・。
本当に、本当に・・・、この状況に興奮している、わたしがいるのも現実・・・
「また・・・・、くる・・・ きちゃうぅ〜!!」
「すんごぃのが・・・・いくぅぅ〜!!!」
・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
また、少しの間気を失ってしまった、みたいです。