小林研究所の小林所長が、その部屋に入ったのは、ラップ巻きエステマシーンのモニター体験者を案内してから、40分以上経過してからだった。
部屋の中には、全裸の女性が、足先から、頭の上まで完全にラップで梱包された状態で横になっている。
ラップで梱包されている女性は、口は開いた状態で、瞼も閉じてはおらず白目で、全く動きがない様に見えるが、かすかな呼吸はしている。
「あなたに巻きついているラップは、私が作った特殊なラップなので、空気が通るんだよね・・・」
「ただし、空気がラップを通過するには、緩やかな呼吸が必要で、荒い呼吸の場合は空気が通らないの・・・」
「焦れば、焦るほど、呼吸は荒くなるので、全くこのラップは空気が通過できなくなっちゃうんだよね!!」
「ごめんね・・・」
「でも、失神してしまっているあなたは、今、呼吸ができているの、安心しなさい。」
「こんなに、喜んでもらえるなら、また体験しにきてくれるかしら・・・」
そう言いながら、ラップの一部を、ハサミで切る作業を開始したのです。
おわり