ぐるぐる巻き機4.0号 [9.エピローグ]


小林研究所の小林所長が、その部屋に入ったのは、ラップ巻きエステマシーンのモニター体験者を案内してから、40分以上経過してからだった。

部屋の中には、全裸の女性が、足先から、頭の上まで完全にラップで梱包された状態で横になっている。

ラップで梱包されている女性は、口は開いた状態で、瞼も閉じてはおらず白目で、全く動きがない様に見えるが、かすかな呼吸はしている。

「あなたに巻きついているラップは、私が作った特殊なラップなので、空気が通るんだよね・・・」

「ただし、空気がラップを通過するには、緩やかな呼吸が必要で、荒い呼吸の場合は空気が通らないの・・・」

「焦れば、焦るほど、呼吸は荒くなるので、全くこのラップは空気が通過できなくなっちゃうんだよね!!」

「ごめんね・・・」

「でも、失神してしまっているあなたは、今、呼吸ができているの、安心しなさい。」

「こんなに、喜んでもらえるなら、また体験しにきてくれるかしら・・・」

そう言いながら、ラップの一部を、ハサミで切る作業を開始したのです。

おわり


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