ぐるぐる巻き機4.0号 [3.起動]


 エステマシーンに寝て初めて気がついたのですが、エステマシーンの置かれてある天井には、巨大な鏡が貼ってあり、私自身の全身の全裸がその鏡に映し出されております。
 全裸姿なので、ちょっとだけ恥ずかしいのだけど、他の人には見られる事が無いし、それよりも、私自身がどの様な状況になっているか見る事ができるというのは、とっても良いと思います。

 感情も無い機械に、淡々と巻かれて、動けなくなって行く私の全身が見れる様になっているなんて・・・
 「素敵すぎます・・・」

 先ほどのタッチパネルの画面も、鏡に映っており、私が寝た状況を把握しているのか、鏡に映っている文字が逆になる事もなく、きちんと読める様になっております。
 そのタッチパネルの方から、コンピュータの女性の声で、「機械が作動いたしますので、機械が動作中は身体を決して動かさないようお願い致します。」と案内があり、画面にも同様の内容が表示されています。

 「では、5カウント後に動作開始します。」
 いよいよ、私・・・ ぐるぐる巻きにされてしまうのね・・・

 「5・・・」(タッチパネルの画面には、「梱包開始まで5秒前」と表示)
 「あぁ~ 始まる」

 「4・・・」
 「始まってしまう・・・」

 「3・・・」
 「本当に大丈夫・・・でも、でも・・・」

 「2・・・」
 「こんな経験したらもう元に戻れなくなってしまうかも・・・」

 「1・・・」
 「・・・・・・・・・・・」

 「梱包作業を開始します!」
 「エッ? 梱包作業って・・・・」

 どうしたの急に・・・
 人に対するエステマシーンの言葉では無く、物に対して梱包する業務用の機械の様な言い方・・・

 「こ、これじゃあ、まるで私が物のように扱われてしまうみたいじゃないですかぁ~!!

 そんな私の考えなんて聞く耳持たず、感情なんてまるで無い、生き物の私を包むのでは無く、物を淡々と包む機械としてエステマシーンが動き始めたのです。


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